SQLiteでのVIEW作成手順

CREATE VIEWの構文と最小限の例
まずは、いちばんシンプルなVIEWの作り方から見ていきましょう。基本の形を覚えてしまえば、あとは少しずつ応用していくだけで大丈夫です。
CREATE VIEW view_user_list AS
SELECT id, name, email
FROM users;
このSQLでは、
- CREATE VIEW でVIEWを作成することを宣言
- view_user_list がVIEWの名前
- AS の後ろに登録したいSELECT文を書く
という構成になっています。
これで、view_user_list というVIEWが作成されます。
作成後は、通常のテーブルと同じように、
SELECT * FROM view_user_list;
のように呼び出すことができます。
「まずは1つ作ってみる」ことが、VIEWに慣れるいちばんの近道です。最初はシンプルなSELECT文から試してみると安心ですよ。
よく使うオプションと制約
SQLiteのVIEWでは、
- ORDER BY
- LIMIT
といった句も記述できますが、基本的にはVIEWの中に固定で書かず、VIEWを呼び出す側で指定する方が安全とされています。
なぜなら、VIEWの中にORDER BYやLIMITを書いてしまうと、利用する場面によっては柔軟に条件を変えられなくなるからです。
たとえば、
- ある画面では新しい順に並べたい
- 別の処理では名前順に並べたい
といった場合、VIEW側で固定してしまうと対応が難しくなります。
そのため、VIEWはあくまでデータの形を整える役割にとどめ、並び順や件数の制御はSELECT文を書く側で行うのがおすすめです。
実際に手を動かす:作成〜確認
ここでは、実際にVIEWを作成して、正しく動くかどうかを確認してみましょう。サンプルをそのままコピーして試しても大丈夫です。
CREATE VIEW view_active_users AS
SELECT id, name
FROM users
WHERE status = 'active';
SELECT * FROM view_active_users;
1つ目のSQLでVIEWを作成し、2つ目のSQLでVIEWの中身を確認しています。
実行後に、status = ‘active’ の条件に合うユーザーだけが表示されれば成功です。
もしエラーが出た場合は、
- テーブル名が正しいか
- 列名に誤字がないか
を落ち着いて確認してみましょう。最初はうまくいかなくても大丈夫です。1つずつ確認していけば、必ず原因が見つかります。
VIEW作成時のベストプラクティス
- view_ などの接頭辞を付ける
- VIEWだと一目で分かる名前にしておくと管理がラクになります。
- テーブル名と区別しやすくなり、SQLを読んだときの混乱も防げます。
- 列名を明示する
- どの列を使っているかが分かりやすく、後から見返しても安心です。
- 将来テーブル構成が変わった場合でも、影響範囲を把握しやすくなります。
- SELECT * を避ける
- 必要な列だけを書くことで、パフォーマンスと可読性が向上します。
- 不要な列を読み込まないことで、処理の無駄も減らせます。
- VIEW名は処理内容が想像できる名前にする
- 例:view_active_users、view_order_summary など
これらを意識するだけでも、あとから困らないVIEWを作りやすくなります。
実用的なVIEWパターンとサンプル集

この章では、実務でよく使われるVIEWの代表的なパターンを紹介します。「どういう場面で便利か」をイメージしながら読むと、実際の開発に取り入れやすくなります。
集計ビュー
売上合計や件数などをまとめたいときに便利なのが集計ビューです。毎回GROUP BYを書く必要がなくなり、SQLがとてもスッキリします。
CREATE VIEW view_sales_summary AS
SELECT product_id, SUM(amount) AS total_amount
FROM sales
GROUP BY product_id;
このVIEWを作成しておくと、
SELECT * FROM view_sales_summary;
のように呼び出すだけで、商品ごとの売上合計を確認できます。
集計処理を何度も使う場合は、まずVIEW化を検討すると管理がぐっとラクになります。
JOINビュー
複数テーブルを結合する処理も、VIEWにしておくと再利用しやすくなります。
CREATE VIEW view_order_detail AS
SELECT o.id, c.name, o.total
FROM orders o
JOIN customers c ON o.customer_id = c.id;
注文と顧客情報をまとめたVIEWを作ることで、毎回JOINを書く必要がなくなり、SQLの見通しがよくなります。
「JOINが多くて読みづらい」と感じたら、VIEW化を検討してみましょう。
フィルタビュー
特定の条件に合うデータだけを扱いたい場合は、フィルタ条件付きのVIEWが便利です。
CREATE VIEW view_public_users AS
SELECT id, name
FROM users
WHERE is_public = 1;
このようにしておくと、公開ユーザーだけを簡単に取得できます。
「毎回WHERE句を書くのが面倒」という場合にもおすすめです。
更新可能なVIEWについて
SQLiteでは基本的にVIEWは更新できません。
UPDATE view_public_users ...
のような操作は、そのままでは失敗します。
どうしてもVIEW経由で更新したい場合は、トリガーを使って、VIEWへの操作を元テーブルの更新に変換します。
初心者のうちは「VIEWは参照専用」と考えておくのが安全です。
管理・変更・削除の方法と注意点

VIEWは作成して終わりではなく、運用していく中で削除・作り直し・確認といった管理作業が発生します。ここでは、よく使う操作と注意点をまとめて確認していきましょう。
VIEWの削除
不要になったVIEWは、DROP VIEWで削除できます。
DROP VIEW IF EXISTS view_user_list;
IF EXISTS を付けておくことで、対象のVIEWが存在しない場合でもエラーにならず安全に実行できます。
開発中や検証中は、「とりあえず削除して作り直す」場面も多いため、この書き方は必ず覚えておきましょう。
ALTER VIEWは非対応
SQLiteでは、VIEWを直接変更する ALTER VIEW 構文は使えません。
そのため、VIEWを変更したい場合は、
- DROP VIEW(既存VIEWを削除)
- CREATE VIEW(新しい定義で作成)
という手順で再作成します。
「VIEWは作り直すもの」と割り切っておくと、運用がぐっとラクになります。
ビュー依存関係の確認
どのVIEWが存在しているかを確認したい場合は、sqlite_master テーブルを参照します。
SELECT name, sql
FROM sqlite_master
WHERE type = 'view';
このSQLを実行すると、
- VIEW名
- VIEWの定義SQL
を一覧で確認できます。
VIEWを削除・変更する前に、どんなVIEWがあるのか把握しておくと安心です。
マイグレーションでの扱い
スキーマ管理やマイグレーションでは、VIEWの定義もSQLファイルとして管理するのがおすすめです。
- CREATE VIEW をSQLファイルに含める
- 再作成前に DROP VIEW を入れる
この2点を守ることで、環境が変わっても同じVIEW構成を再現しやすくなります。
特にチーム開発では、VIEW定義をコードとして残すことで、構成の共有がしやすくなるメリットがあります。
パフォーマンスと最適化の考え方

VIEWはSQLを整理するための仕組みですが、使い方によってはパフォーマンスに影響が出ることもあります。特に、データ量が増えてきた場合や、複雑なVIEWを多用している場合は、少し意識するだけでも動作が大きく変わることがあります。
ここでは、VIEWを使うときに意識しておきたい最適化の考え方を紹介します。難しく考えすぎず、基本ポイントだけ押さえていきましょう。
クエリプランの確認
まずは、SQLiteがどのようにSQLを実行しているかを確認してみましょう。そのために使うのが EXPLAIN QUERY PLAN です。
EXPLAIN QUERY PLAN
SELECT * FROM view_order_detail;
このコマンドを実行すると、
- どのテーブルを参照しているか
- インデックスが使われているか
- どのような順番で処理されているか
などを確認できます。
まずは「インデックスが使われているかどうか」だけ確認できればOKです。
意図したインデックスが使われていない場合は、元テーブル側の設計を見直すことで改善できるケースがあります。
インデックスについて
VIEW自体にはインデックスを付けられません。元テーブル側に付けます。
VIEWはあくまでSQLの集合体なので、パフォーマンスは元テーブルのインデックス設計に大きく左右されます。
たとえば、
- WHERE句でよく使う列
- JOIN条件に使う列
などには、インデックスを付けておくと効果的です。
複雑なVIEWは分割
1つのVIEWに多くの処理を詰め込みすぎると、SQLが読みにくくなり、保守も大変になります。
そのような場合は、
- 小さなVIEWを複数作る
- それらを組み合わせる
といった形に分割するのがおすすめです。
ロジックを整理することで、修正やデバッグもしやすくなります。
チューニング例
パフォーマンスを改善したい場合は、まず次のポイントを確認してみましょう。
- WHERE条件を増やす
- 不要な列を除く
取得するデータ量を減らすだけでも、実行速度が改善することはよくあります。
「必要なデータだけを取る」意識が、VIEW最適化の基本です。
よくあるエラーとトラブルシューティング

VIEWを使っていると、いくつかの定番エラーに出会うことがあります。ただし、多くの場合は落ち着いて確認すれば解決できるものばかりです。ここでは、特によくあるエラーと対処の考え方を紹介します。
no such table
このエラーは、「指定したテーブルやVIEWが見つからない」という意味です。
主な原因としては、
- テーブル名の誤字
- 大文字・小文字の違い
- VIEW作成順の問題
などが考えられます。
まずは、テーブル名やVIEW名をもう一度よく確認してみましょう。また、VIEWの中で参照しているテーブルが先に作成されているかどうかも重要なポイントです。
更新できないエラー
VIEWは基本的に更新不可です。
UPDATE view_xxx ...
のようなSQLは、そのままでは失敗します。
どうしてもVIEW経由で更新したい場合は、トリガーの利用を検討します。
初心者のうちは「VIEWは参照専用」と考えておくのが安心です。
再作成エラー
VIEW同士に依存関係がある場合、削除や再作成の順番を間違えるとエラーになります。
その場合は、子 → 親 の順でDROPするのが基本です。
どのVIEWが依存しているか分からない場合は、事前にVIEW一覧を確認しておくとスムーズです。
デバッグの進め方
エラーが出たときは、まずVIEWに登録されているSQLを単体で実行してみましょう。
- VIEWのSQLを単体実行
- エラー行を特定
SQL単体で実行することで、問題箇所が分かりやすくなります。
焦らず1つずつ確認していけば、多くのトラブルは解決できます。
実務での活用ルールとベストプラクティスまとめ

VIEWを便利に使い続けるためには、あらかじめ簡単なルールを決めておくことが大切です。ここでは、実務で役立つ運用ルールや判断基準をまとめました。
運用ルール例
- 命名規則を統一
- 例:view_ から始める、英語小文字で統一する など
- READMEにVIEW一覧を記載
- VIEW名と用途を簡単にまとめておく
このようなルールを決めておくと、後から見返したときや、他の人が参加したときにも理解しやすくなります。
VIEWを使うべきケース
- 複雑なSELECT
- 何度も使うSQL
特に、JOINが多いSQLや集計処理を含むSQLは、VIEWにしておくことで見通しがよくなります。
「このSQL、何度も書いているな」と感じたら、VIEW化を検討してみましょう。
避けた方がよいケース
- 頻繁に変わるロジック
- 重すぎる処理
仕様変更が多いSQLをVIEWにすると、修正のたびにDROPとCREATEが必要になり、管理が大変になります。
まずは、仕様がある程度固まっている処理からVIEW化していくのがおすすめです。
SQLite設計チェックリスト
- 元テーブルにインデックスがあるか
- VIEWが複雑すぎないか
- VIEWの役割が明確か
- READMEやドキュメントに記載されているか
このチェックリストを定期的に見直すことで、VIEWが増えても整理された状態を保ちやすくなります。
記事のまとめと参考コード

最後に、シンプルなVIEWの例をもう一度確認しておきましょう。
CREATE VIEW view_simple_users AS
SELECT id, name
FROM users
WHERE status = 'active';
VIEWは「SQLを整理する道具」です。
よく使うSQLをまとめる感覚で、少しずつ取り入れていくのがポイントです。
そうすることで、読みやすくて扱いやすいデータベースに近づいていきます。

